2024.10.23

『教養としての上級語彙2』書評

新潮社『波』に宮崎哲弥氏の近著『教養としての上級語彙2』(新潮社)の書評を寄稿しました。

「正確な表現という創造的行為」
評:三浦瑠麗(国際政治学者)
~本文より抜粋~
待たれていた宮崎哲弥氏の『教養としての上級語彙』の続編が世に出た。誠に喜ばしい。前著は、著者自身が書いている通り、類例のない言葉についての本だった。一部の熱心な人を除いては読まれにくい辞書的な機能を果たしつつ、自らの主張を生きた例文として用い、上級語彙の意味内容を歴史上の著作物に照らして豊かに展開してみせた。中学生の頃からノートに言葉を書き留め、豊富な読書経験を通じて様々な語彙を会得した著者からの贈物といってよい。本作では、便利な索引がつけられたことについても言及しておくべきだろう。